HOME > CAE・有限要素法 > 三次元形状モデルの準備
事前検討の課題の明文化とのところで着眼点が決まりますので,この着眼点以外のところの形状を簡略化します。
詳細設計が終わった形状モデルをそのまま解析モデルにすることは得策ではありません。解析結果に影響しないネジ類や小さな部品まですべて要素分割されて,解析モデルが大きくなってしまいますし,接触要素を用いた部品間の結合の設定がとても煩雑になります。手間がかかっても形状の簡素化作業をすべきだと考えております。
簡素化には,部品の削除と形状の簡素化があります。部品の削除は大胆に,形状の簡素化は慎重にやりましょう。穴,段差,角など形状変化部分で応力集中が発生しそこから疲労破壊が発生するので,この疲労破壊の可能性を見逃さないために,形状の簡略化には注意が必要です。また,角部のコーナRのフィレットは,応力特異点を作らないために削除すべきではありません。
部品の削除,形状の簡素化ともに大胆にやってよいと思います。しかし,境界条件の固定と部品間の結合に注意が必要です。境界条件の固定において,固定箇所をたくさん設定すると解析結果の変位が小さめに出てしまうので,固定は最小限にすべきです。応力特異点のページで,点や辺の固定はすべきではないと述べましたが,変位が関心事の場合応力特異点は関係ないので,点や辺の固定を活用すべきです。
また,部品間の結合に固着を設定しても,解析結果の変位が小さめに出てしまいます。ボルト締結部の解析方法を参考にしてください。
形状の簡素化は大胆にやれますが,部品の質量が結果に大きな影響を与えるので,部品の削除は慎重にやりましょう。部品を削除して,削除した部品と同じ質量をもつ質量要素を付加するという手があります。
変形量の予測が目的の場合と同様に,境界条件の固定と部品間の結合に注意が必要です。安全側の見積りとするために剛性が低めになるように設定すべきです。
仮想仕事の原理 を追加しました。