「三つの主せん断応力(τ1,τ2,τ3)のうち最も大きいものをτmaxとすると,τmaxが材料によって決まるある応力τtに達すると破損する。」という仮説を,最大せん断応力説(maximum shearing stress theory)と言います。式で表現すると次式になります。
上式を見ると主応力の差を見ていますので,最大主応力差説(maximum principal stress difference theory)とも呼ばれています。また,クーロン(Coulomb)の説とも呼ばれています。
(1)式(2)式のτtをせん断降伏応力τyとすると,着眼点に6つの応力成分(σx,σy,σz,τxy,τyz,τzx)が同時に作用しているとき,そこが降伏状態かどうかを判別する式になります。これをトレスカ(Tresca)の降伏条件式と言います。
延性材料を引張ったときの破断面は,ほぼ最大せん断応力の面に近いので,この説は延性材料の破損の有無の判断に使われます。
仮想仕事の原理 を追加しました。