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コンピュータの高性能化・低価格化と64ビットOSの普及により,卓上PCで動く高性能な解析ソフトが手軽に利用できる環境が整ってきました。これに伴い解析ソフトユーザが拡大し,特に初心者層の増加にめざましいものがあります。
そして,解析ソフトのユーザインターフェイスが進歩し,そして解析結果の表示のためのソフトとハードの進歩した結果,一見もっともらしい解析結果が容易に得られるようになりました。
しかしここには,解析ソフトをブラックボックスとして扱っている危険性をはらんでいます。例えば,入力する材料定数の単位系の間違い,境界条件の設定間違い,不適切な要素分割,間違った解析アルゴリズムの選択などにより,きれいなコンタ図でありながら実は的外れの結果が得られ,それが流通する危険性があります。不適切な解析結果が設計に採用されてしまうと,機械や設備の性能不具合や安全性を脅かす重大な事態につながります。
このような事態を防止するためには,解析ソフトウェアの品質確保に加え,解析を担当する技術者のレベルアップ,解析結果の品質を担保する解析手順の整備などが重要になります。
品質を担保する解析手順の中核的な考え方に,V&Vというものがあります。ひとつ目のVは検証(verification),ふたつ目のVは妥当性確認(validation)です。検証とは,計算が正しく行われたかを確認する作業で,妥当性確認は,計算を行うために考案した解析モデルが正しいものであったかなど解析行為全般の妥当性を確認する作業です。
それでは,解析手順とV&Vの方法のページで,V&Vを考慮した解析手順とV&Vの具体的な方法を説明していきます。
仮想仕事の原理 を追加しました。