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バネを引張ろうとする力とその伸びは比例関係にあることは経験的に知られています。弾性体において外力と伸びがある範囲内で比例することをフックの法則(Hooke's law)と言います。
今,図1に示すように断面積Aの丸棒に荷重Pが作用して,その長さがLからL+ΔLの伸びたとします。丸棒に発生する応力σはσ=P/Aで,ひずみεはε=ΔL/Lですね。応力σとひずみεの間にも比例関係があって,その比例定数Eをヤング率(Young's modulus)とか縦弾性係数(modulus of longitudinal elasticity)と言います。式で表すと(1)式にようになります。
(1)式に応力の定義式とひずみの定義式を代入して変形すると次式となります。
(2)式を変形して,伸びΔLを求めると次式となります。
伸びΔLは,荷重Pと長さLに比例し,断面積Aとヤング率Eに反比例します。
今,図2に示すように断面積Aの直方体に荷重Pが作用して,せん断変形ρが発生したとします。直方体に発生するせん断応力τはτ=P/Aで,せん断ひずみγはγ=ρ/L=tanφ≒φですね。せん断応力τとせん断ひずみγの間にも比例関係があって,その比例定数Gを横弾性係数(modulus of shearing elasticity)と言います。Gは,せん断弾性係数,剛性率,ずれ弾性率とも呼ばれています。式で表すと(4)式のようになります。
EとGの単位は,応力や圧力の単位と同じ[Pa]です。大きな値なので[GPa]で表現されます。鋼の場合200[GPa],アルミの場合[70GPa]ですね。有限要素法ソフトに入力するときは,長さの単位を[m]でモデリングした場合はヤング率は[Pa]で入力してください。鋼の場合は2.00×1011[Pa]ですね。長さの単位を[mm]でモデリングした場合はヤング率は[MPa]で入力してください。鋼の場合は2.00×105[MPa]です。単位換算については応力のページを参照してください。
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