摩擦あり接触要素を使う場合,摩擦係数が必要になります。摩擦係数を測定したので紹介します。
図1に測定方法を示します。2枚の試料を重ねてローラーで挟み摩擦力を発生させます。ローラーはベアリングで固定されており自由に回転します。試料の一端を固定し多端を引張り,試料を滑らせます。このときの試料を滑らせるのに要する力を測定します。この作業を加圧力Pを変化させて何回か行いました。
滑り始めたときの力をF静止とし,滑っている最中の力をF動とすれば,静摩擦係数μ静と動摩擦係数μ動は次式で表されます。
図2は荷重Pと摩擦係数の関係です。荷重Pによって摩擦係数が変化します。その最大値,最小値,平均値を記録しました。
得られたデータのいくつかをプロットしました。図3に示します。荷重の増加とともに摩擦係数が低下する傾向が観測されました。
同じ材料どうしの摩擦係数を表1に,SUS303(ステンレス鋼)と他の材料との摩擦係数を表2に,SCM440(クロムモリブデン鋼)と他の材料との摩擦係数を表3に示します。
仮想仕事の原理 を追加しました。