HOME > CAE・有限要素法 > FEMソフトによる節点応力
有限要素法ソフトでは節点応力がどのようにして表示されているかを説明します。
有限要素法の定式化で述べたように,応力は積分点で計算されます。図1のようになるでしょうか。なんか味気ないですね。
節点の応力は図2に示すように積分点の応力値を外挿して求めています。図3のようになります。
中央の節点は4つの要素が共有していますが,A,B,C,D点の応力値が異なっています。つまり,節点は4つの応力値を持つことになります。E点とF点の応力値に注目します。応力分布の連続性から本来ならばE点とF点の応力値は等しくなるはずなのですが,計算結果は異なっています。では節点応力値はどのようにしましょうか。一般の有限要素法ソフトは4つの応力値を平均しています。図4のような応力分布になります。
節点の応力値が一つの値になりました。そしてE点とF点の応力値がほぼ等しくなりました。なんか計算精度が上がったようですね。しかし,これは単なる平均化の結果であって,計算精度が上がったわけではないことに注意する必要があると思います。ANSYSなどでは,図3のように平均化する前の応力分布を表示できますので,これを見て判断してもよいかと思います。
以上が,有限要素法ソフトが表示する応力分布の計算方法とその注意点であります。
仮想仕事の原理 を追加しました。